公演に寄せて
2011年から書き始めている『Monochromer Garten(単彩の庭)』シリーズでは、与えられた時間の中に音素材を配置し、音楽を作り上げる作曲のプロセスを、石や植物によって空間を構築する日本庭園の作庭として捉えています。一連の作品を進める中で「音」は一旦自由を得ると、それ自身の生命を育み、それ自身の原動力に従うということに気づかされました。私は作曲家として「音」から学び、「音」の流れを導き、形作っているのです。
― 岸野 末利加 ―
大名と従者の太郎冠者は、庭の美しい茶屋に連れ立って遊山に出かける。目の前に広がる想像の庭と音の織りなす庭。現実と空想、夢うつつ、影と陽、生命、祈り、宇宙。いずれも観る者に内在する歓声が紡ぎ出す世界。研ぎ澄まされる感覚と深く広がりゆく心。狂言のエネルギーは最も簡素な現実から、無限に広がる。風流を介さない大名(ひと)が屈託のないおおらかな笑いを纏う。生命力の象徴=笑い。神事に起源をもつ狂言の世界から、いまアンサンブル室町の新作狂言へ。
― 和泉 淳子 ―
作曲
岸野 末利加 Malika Kishino
1971年7月16日京都市生まれ。同志社大学法律学部法律学科卒業。98年パリ・エコ–ル・ノルマル、2003年フランス国立リヨン高等音楽院作曲科卒業後、フランス国立音響音楽研究所(IRCAM) 研究員。2006年からドイツのケルンを拠点に作曲活動を行い、ヨーロッパを中心に著名な音楽祭、演奏団体、放送局により作品が委嘱初演、再演、放送されている。NHK交響楽団主催第69回尾高作曲賞受賞。2024-25年度ドイツ政府によるローマ賞(ドイツ・アカデミー・ローマ・ヴィラ・マッシモ)受賞。 作品は全てミラノ・スビーニ・ゼルボーニ社 から出版されている。
狂言
和泉 淳子 Junko Izumi
史上初女性狂言師。和泉流宗家 筆頭控え家当主。
和泉流19世宗家和泉元秀の長女。3歳で初舞台。大曲「三番叟」「奈須与市語」を披き、平成元年、国立能楽堂にて「史上初女性狂言師誕生記念公演」を行う。文部大臣より感謝状授与。平成6年「釣狐」を披く。NHKキャスターレギュラー出演。TVCM大同生命。平成13年女性狂言師協会設立代表。大曲「花子」を披く。海外公演14カ国40都市、令和4年政府主催国際女性会議英語狂言上演。大阪関西万博狂言公演予定。日本女子大学卒業。長女慶子、長男和秀も狂言師。能楽協会会員。高知県ゆすはら未来大使。
芸術監督
アンサンブル室町メンバー
指揮 鷹羽弘晃
古楽器
リコーダー 菅沼起一
バロックバイオリン 須賀麻里江
バロックバイオリン 髙岸卓人
ヴィオラ・ダ・ガンバ 和田達也
バロックチェロ 山田 慧
オルガン 大平健介
和楽器
横笛 澄川武史
尺八 黒田鈴尊
篳篥 三浦元則
笙 石川高
箏 日原暢子
琵琶 久保田晶子
大鼓 山口晃太朗
小鼓 小川実加子
照明
松本永(eimatsumoto Co.Ltd.)
制作協力
東京コンサーツ
チケットについて
2024年7月1日(月)発売予定 / 全席自由
一般前売 4,500円 一般当日 5,000円
学生前売 2,500円 学生当日 3,000円
チケット予約:
◆カンフェティ
電話予約: 0120-240-540 *通話料無料
(受付時間 平日 10:00 ~ 18:00 ※オペレーター対応)
お問い合わせ
アンサンブル室町事務局 office@ensemblemuromachi.or.jp
助成
公益財団 朝日新聞財団
アーツカウンシル東京
独立行政法人 日本芸術文化振興会
公益財団法人 野村財団